ちょっとふらふらと出歩きたくなる小春日和。山にいってみたくなり、手ごろな場所をしばし考えてみた。
そうだ、屋代城に行こう。
10年ほど前、屋代駅→長野県立歴史館→森将軍塚古墳→屋代城→墓地を通って道を下り→屋代駅 という行程で歩いたことがある。そのほとんどの行程で舗装されているような、車が通れるような道だったという記憶がある。
行けんじゃね? そんな思いが頭をよぎり、とりあえず車で屋代城を目指すことにした。
まず、県立歴史館側の道から…あら専用バスのみ通行可ですかー。では墓地側の道を…あれれ見つからない(あとでグーグルマップ見たら、なんか車ダメっぽい)。
結局、県立歴史館の駐車場に車を停め、徒歩で目指すことにした。いい天気で、歩いている人が思ったより居た。平日のお昼時なのに…。ただ、バスを利用する人はいないようだ。
まずは屋代城へ。
←右:今来た道(森将軍塚古墳方面)
下から上がってくる道が。ああ、やっぱりどこからか来れるのか。右の私が歩いてきた道は進入されぬよう封鎖。
ここから先は舗装路ではないが、かなり状態のいい道。先に進んでいくと、車で乗り付けてきていた年配男性が。同じ場所に向かうのかと思いきや。
こちらでした。古墳ファンだったのかしら(山菜取りだとさすがに気が早い気もするし)。
屋代城は細長い城だ。全体像はこんな感じ↓
真ん中あたりの灰色っぽい部分は欠損しているそうです(通ることはできそう)。確か採石場だったかな?
この看板を横目で通り過ぎると、墓地がある。墓地には麓の満照寺というお寺さんが管理しているらしい。屋代氏の館跡が今の満照寺だそう。
そしてこれが登山口↓
ごく普通の山道だ、ずんずん行こう。
ちょっと空の見える範囲が広くなってきた。山頂も間近。
そして、とうちゃーく。
屋代城の主郭である。さっきまで適度な林だったのに、急に開けた。広い。
見晴らしは…。
まあまあか。
主郭と崖の境には補強の石が。
ここから細長く、郭が続いていくようだ。二の郭におりてみた。こちらも広い。大規模なお城ね。
屋代氏は戦国期、村上→武田→上杉→徳川と主を替えて、3000石の上級旗本の身分に落ち着いた戦国らしい出世をしていった家である。お城の築城年は永正~天文年間(1504~1555)と言われている。この妙に長い城はちょっとづつ拡張されていったんだろう。廃城年は1559年。屋代氏が武田氏の「荒砥城へ移ってね」という命令による。けっこう時間もかけて大きくしていった城だが、あっさりと廃城になった理由は、「戦局の変化により、重要度が下がったから」だという。個人的には、細長過ぎて守りにくいから棄てたくなったんじゃないの? と思っている。
10年前にきたとき、お城のすべてを見ていない。現在いる主郭から一番端の「一重山不動尊」という場所に行くとしても、その不動尊がだいたいどの辺りか分からなかったからだ。で、その時は墓地を通って屋代駅に向かった。
後々に分かったことだが、一重山不動尊というのはコレ↓だった。
線路沿いにある。倉科踏切という踏切が目印。その踏切のお隣。
屋代城の全体はこんな感じ。
赤矢印が屋代城本郭。端のオレンジ矢印は一重山不動尊への入り口があるあたり。遠くかつ高台からじゃないと全体写真が撮れないよー(しかも花粉でぼんやりしてるし)。
こちら側からだと、公園として整備されているらしいので、のぼりやすかったかもしれない。
さて。出る場所は分かっていたが、今回もまた本郭のみの探索。帰ろう。
下りるときはちょっと怖いなー落ち葉で滑っちゃいそう。
頻繁に「ゴー」という大きな音がしている。高速道路から聞こえているのかと思っていたら、この山をトンネルでくりぬいて新幹線が走っていた。新幹線って、かなりうるさい…。
もと来た道を戻る途中で、私の好きな奴を見つけた。何故か分からないが、昔からこの黄緑色の繭に心惹かれてしまうのだ。非常に鮮やかな繭だが、成虫はあんまり美しくない蛾(ウスタビガ)。
いいものを見たので、ついでに古墳も見ようと思い立つ。
今はお城見学メインだが、学生時代は古墳をよく見に行っていた。森将軍塚古墳も整備されてから、3,4回見に来ている。
今日は穏やかな天気だからか、古墳を見に来る人も多くいた。家族連れや老夫婦、友人同士、おひとり様と何組もすれ違ったが、ひょっとすると古墳までの道は地元民の定番散歩コースになっているのかもしれない(舗装されており歩きやすい)。
舗装路ではなく、階段を延々上るコースもあるよーこっちは足腰鍛えられちゃう。
古墳に到着。作られた当時の様子を再現しているそうだ。
★★★☆☆
屋代城は整備されている。が、いかんせん長い。
主郭側からだと、山道が子供にはちょっときついかもしれない。次は一重山不動尊側から上ってみたい。評価が変わる気がする。
<屋代城>
築城年 永正~天文年間(1504~1555)
築城主 屋代氏
構造 山城