中身はほぼ北国西脇往還(善光寺西街道)らしい。善光寺西街道は塩尻市洗馬と長野市篠ノ井を結ぶ道でもあり、国道403号線が一応、後継路線となっている。が、善光寺西街道を踏襲している部分は千曲市と筑北村との間のみとなっている。しかし403号は筑北村と麻績村の間も青柳宿を通らない等かなり差異がある。千曲市内でも善光寺西街道部分は林道化されており、その名称が猿ヶ馬場線というそうだ。
ちなみに403号分岐点はここ↓
善光寺西街道(旧道)は左の狭い道、現国道403号は右へ。
左へ進むと立峠がある。
筑北村西条から先は旧東川手村(潮村・潮山中村・潮沢村などが明治に合併して誕生した村)を通過していた道を改良したものらしい。旧東川手村の木戸という地籍で川手道(現国道19号線)とぶつかり、403号は松本方面に向かう。
川手道は国道19号の前身となっている。↓分岐点
国道19号は左。国道403号は右。真ん中は…国道19号と最終的に合流するみたい。
木戸と西条を結ぶ道は酷い山道でサグラダ・ファミリアみたいに延々と工事し続けている。安曇野IC~麻績ICで通行止めになった場合の代替道路に指定されているので改良し続けているようだ(実際、安曇野IC~麻績ICで通行止めになっちゃったとき、その道を通らされた。九十九折りの狭窄な道路が賑やかになった。その中には品川ナンバーのキャデラックとかポルシェとか大都会からやってきた高級外車もいっぱいいた。あの人達こんな山道通ったことないだろうなと思った)。昔は重要な道ではなかったようだが、山奥には平家の落ち武者伝説が残る集落もあったりするので人は昔から住んでいたらしい(この近くには縄文人骨300体ほどが発掘された遺跡もあるとか)。
国道403号の元になった古い道は一応まだ残っている気がする(グーグル先生の地図では分断されているが、古地図と照らし合わせるとこれかなー? って感じの道がある)山深いので荒れてそう。街道(里道らしい)ですらないので今後とも整備されないだろうねー。
善光寺西街道という古い街道の後継路線とはいえ、この辺りは明治以降に切り開いた幹線が多いので、古い道は放置されてきた感じがする。それが良かったのか、文化庁の「歴史の道百選」にまで選ばれてしまった。林道猿ヶ馬場線も歴史の道百選に指定されている。
全線舗装路となっているらしい。それなりに需要があるようで、グーグルカーは踏破している。探せば動画でも出てくる。
この道、とにかく杉が多い。即位記念で杉を植えやがったようだ。林道は昭和38年に開設されたそうなので、紀念林って平成での即位した記念なのかな? とにかく杉の香りが濃厚。これ、春に通ったらアレルギー反応で死ぬんじゃないかと真剣に思う。
轍があるので誰かが頻繁に通っている様子。
猿飛池という忍者っぽい池とか。
茶屋もある。
↑火打石茶屋跡
- この辺りには多い時で9戸の茶屋があった
- うち3戸は松代藩命により茶屋を営んでいた
- 藩命というのは、山賊撃退と旅人の面倒を見ること
- 3戸のうち名月屋という茶屋は本陣の格式があり、屋敷の門や屋根に六文銭をあしらい、お殿様がお越しの際休憩宿泊も出来た
- 名月屋には芭蕉の句碑が建てられていた
この狭い場所に屋敷があったらしい。
句碑というのは
↑これのようだ。
こんな場所に茶屋が点在するとか。店員さんが泊まり込みで働いていたのかなと思うと…ちょっと働くの躊躇するなー。夜なんか真っ暗だよ。
句碑・盛り土の奥に道らしきものがあるが、その奥に屋敷があったのだろうか。この林道も正確に善光寺西街道をトレースしている訳ではなさそうなので、旧道かもしれない。
↑どう見ても道です、というモノが林道の横に現れたりしている。状態がかなり良いやつなので頻繁に整備している感じよ。
↑こういうのもあった。一里塚だそうだ。
- 近世の主要街道の両側に一里(約4km)毎に土を盛り、里程の印とした塚
- 塚上に榎や松を植えることが多い
- こちらの塚は「火打ち石の塚」という
- 塚は昭和38年の林道開設の際、四カ所に分断し、特に西側の塚は排除されてしまう
- 現存する東側の塚は直径6m高さ3m
- 他にも「稲荷山」「一里山」「市野川の一里塚」があったが、現存しているものはない
松崎茶屋跡も林道から少し外れた、奥まった場所に跡地があった。
ここまで来たら、ナビが右行きを示した。いやいや、どう見たって左じゃないの!? ナビは「左は行き止まり」と言い出す。この林道で行き止まりとなったら詰む。しかし先の桑原宿まで行けるはずなんだがねー。
色々考えたところ、戻ることにした。
ちなみに、この場所は「のぞき」という場所で、大井茶屋と展望台があったらしい。お金を貰い設けた望遠鏡から善光寺本堂を覗かせた場所だそう。タワーの展望台に備え付けられた、100円入れると使える望遠鏡的なヤツだね!
聖湖までは急坂だった。車の横滑り警告灯がチカチカするー。路面に敷き詰められた杉葉で相当滑っている。道路幅は危険なほど狭くなかったが、警告灯の点滅は本当に気持ち悪い。
滑りはしたが、無事に林道入り口まで到着した。
★★★★★
滑った件も含めて、なかなか楽しかった
<林道猿ヶ馬場線>
開設年 昭和38(1963)年