暑い・お盆休み混雑という二重苦で、どこか行きたいが行く場所が決まらない。プラネタリウムはどうですか??? という私に「は?」と答える子供。ヤツは「おもちゃ王国行きたいんだけど」しか言わなくなっていた(おもちゃ王国は来月また行きます…)。アスレチックが余程楽しかったらしい。
とにかくどこか車を走らせろ、山道が良い。というリクエストにより、青木村へ蕎麦食べに行った。
そこから「更に山へ行け」という子供の指示で、かねてから気になっていた保福寺峠の道を行こうとした。冬季閉鎖される古くて険しい道だけど峠を越えた保福寺にはずーっと気になっていた大正ロマンなレトロカフェがあるのよね(これも子供は全く興味ないだろうけど)。
冬はともかく、夏も無理ですよ…。軽トラなら行けるかもしれない。1車線幅のボロボロな険道。林道じゃないの?
この道は律令制だった時代に作られた東山道であるそうだ。万葉集にも登場する。江戸時代に中山道が出来るまで重要な国道だったし、江戸時代でも松本藩主が参勤交代で利用した立派な街道だった。一応舗装されているけど現代ではどうしようもなく不安になる道だよ。
途中で引き返したわ。同乗者いると気になっちゃうから、こういう険道は一人で楽しみたい。
明治23(1890)年に出来た国道最古とされる明通トンネルと同い年の会吉トンネル、トンネル達がある国道143号のせいで需要が低下した旧街道だった。まあ、国道143号と青木峠はロクな話を聞かないが(お化け出るから絶対通らない!! って人もいる)。
そんなトンネルが出来た翌年の1981年に、保福寺道に日本アルプスを世界に紹介したというウェルター・ウェストン(登山家)さんが来ており、保福寺峠に記念碑が置かれているという。由緒ある道なので、趣味で「通りたい」という人もいるらしい。
そんな保福寺道の途中で、立派な鳥居があった。
恋渡(戀渡)神社というらしい。
東山道の保福寺峠の麓にある集落なので、昔は賑わっただろうなー。
扁額は旧字を使った戀渡神社となっている。元は越戸(峠の登り口という意味)とか声渡(緊急を要するとき神社のある尾根から叫んだらしい)とか呼んだらしいが、いつの間にかこんな字が当てられるようになったと。
いつからこんな名前なのか分からなかったが、そう古い時代ではないと思う。
明治時代の地図を見ると、この場所には稲荷社と秋葉社があったようだ。何かの事情で合祀した際に「恋渡神社」にしたのかも? と思ったが確証はもちろんないです。
この場所にあった稲荷社も秋葉社も創建年は不明とあった。この地区(旧奈良本村)の郷社は奈良本神社と言い、もう少し麓にある。
現在は婚活神社として町おこしに役立てているらしい。道の駅あおきにも戀渡屋という、この神社から取った名前の店があったよ。
コンパラなる植物を使ったソフトクリームが名物らしいです。
参道は古そう。鳥居も古そう。回りの石碑も古そう。
金五百圓也 かな?
富士嶽、従二位勲一等男爵ぐらいしか読めない。頑張って誰のことか探したけど分からなかった。
石段の先、どう考えても崩れているよねえ? 踏み跡も全くないよねえ?
暗くて見えないし。
じゃあ迂回路はこっちか? 道っぽいけど違うような気もする。暗いし。
じゃあこっちかな?
行ってみたら、ただの休耕地だったよ。
もう道はない。村おこしに使ってる神社にしては…と思い、スマホで検索したところ、車道が整えられているとのこと。保福寺道沿いに看板があったな、ということで探しに行ったよ。
辿り着いたのがここ↓
さすがに交通の要衝だったからか、古民家が密集しており道も狭い。もはやどちらの道を進めば良いのか分からず(どっちも突き当たりかと思った)、そのままバックして帰りましたよ。
正解は上にあがっている道だったようだ。
婚活中の人々のブログによれば、車を脇に置いていくのが正解だったらしい。この先も軽トラ幅の道がずっと続いているそうで。麓の鳥居から登る石段はすでに崩れ通行止め。神社の駐車場もなし。
真っ暗な切り通しみたいな道もどうやら社殿に続いていたらしい↓
これは初見殺しだと思いますよ…。
なので、恋渡神社に行くにはこういう感じになるらしい。
ここに車捨てて(いいのか?)、歩いて300mほど細道を行くのが一番マシだと思う。
多分この人達も恋渡神社目指していたと思うよ!
鳥居の所にあった定書きの看板の年号は読めた。昭和16年だった。
恋渡神社の御祭神はどこにも書いていないようだ。村の公式サイトの紹介にも御祭神には触れていない。ただ、倉稲魂神と火産霊神とするサイトがあり、それだと昔ここにあった二つの社、秋葉社の軻遇突智命(火の神様)と稲荷社の倉稲魂命と一緒だ。
定書きの年号が合祀し、新しい神社を創った年かなーって勝手に思ってます! しかし「恋渡神社」なんてキラキラした名前に決めたか興味あるわ。
★☆☆☆☆
辿り着けなかった
<恋渡神社>
創建年 不明